投稿の詳細: 学校選びセミナー取材レポート

2007/04/27

学校選びセミナー取材レポート

『学校選びの基礎知識セミナー取材レポート』

 ena-PT主催で3回にわたって行われる「第7回お母さんのためのセミナー」を取材した。第一弾は「学校選びの基礎知識」と題し、男のお子さま、女のお子さまに共通する心構えについて語られた。弁士は20年以上にわたって中学受験の第一線で活躍しているenaの森山敏久氏。

1.はじめに
「入試の偏差値と大学の進学実績、この『入口』と『出口』でしか志望校を選ばない保護者さまがいらっしゃいます。ですが本当に見極めねばならないのは、お子さまが実際に6年間を過ごされる環境がどのようなものなのかという点です。入口と出口に関する情報は、ネットで検索すればすぐに出てきます。保護者のみなさまは、ぜひこの『6年間の生活』を見極めることこそが学校選びなのだということを改めてご確認ください」
 ともすれば偏差値と大学合格者数にのみ目が行ってしまいがちな志望校選び。だがそれよりも大切なことがあるのだということを再認識させられた。

2.各校の教育理念について
開成や巣鴨、早稲田。そして桜陰や吉祥女子、豊島岡など、具体的な学校名をあげて、その学校が掲げるスローガンを紹介したうえで、その言葉がいかに校風を体現したものであるかについて、詳細な解説を聞くことができた。森山氏によると、校風の言葉どおりに生徒さんたちは成長していくという。
 学校説明会では、校風や理念についての話の部分を聞き流してしまう参加者も多い。だがこの校風・理念こそが、お子さまと学校がマッチするかどうかを図るうえで最も重要なファクターであることが理解できた。

3.6年間の学校生活の見分け方
学校説明会だけでは、6年間の学校生活にまで触れることは難しい。

「以下のような手法を取れば、志望校の生徒さんがどのような学校生活を送っているのかを垣間見ることができます」

・土曜日の昼間に学校訪問をする
「駅から学校へ向かう道すがらで生徒さんの顔・表情を見ることができ、学校から駅へ向かう道すがらで生徒さんたちの会話を聞くことができます」

・文化祭を見に行く
「文化祭の発表で何を取り上げ、それをどこまで掘り下げているかを見ることで、生徒さんの知的水準をある程度測ることができます」

・学年便りを読む
「学校の先生方が生徒さんに向けてどのようなメッセージを発しているのかに触れることができます。学校報などよりもよりリアルな、生徒さんと先生方との生のやりとりを垣間見ることができます。学校訪問の際は、ぜひ事務所に問い合わせてみてください。特に中1向けと高2向けがおすすめです」
4.伝統校と新興校の違い

 この段の冒頭で、森山氏から衝撃的な指摘があった。

「首都圏の高校別東大合格者数ランキングの上位につけている学校は、ほとんどが戦前からの歴史を持つ伝統校です」
 たしかに、首都圏の新興校で東大合格者数上位にランクしているのは駒東・渋幕・渋渋の3校くらいのものである。

「日本の教育水準は、数十年前から時代を経るにつれ徐々に下がってきています。ですが伝統校はそれに流されずに独自の教育を保つことで、生徒に『教養』を身につけさせます。この教養こそが、東大の入試には必要不可欠なのです」

 伝統校は独自の教育を保ち続けることで、高い進学実績を残している。では新興校の魅力とはどの点にあるのだろうか。

「成功している新設校は、学校説明会において、大学進学実績目標を明確に掲げます。『学費』や『6年間』というコストに対して、『進学実績』というパフォーマンスをどれだけ出せるのかを明示するという点で、伝統校よりも洗練された「教育サービス」であるといえます」

 たしかに新興校の説明会と比べると、伝統校はやや不親切ともとれる印象を受けるときがある。保護者として学校に何を期待し、何を求めるのか。そこを明確にできるという点が、新興校にしかない魅力といえるだろう。


 以上のように、具体例をふんだんに盛り込んだうえで、学校選びにおける基礎知識を身につけられる、実に有意義な講演だった。参加の保護者からもたいへん好評だった模様。「次はA校とB校との違いについて語って欲しい」など、積極的な要望を聞くことができた。

ena-PTのサイトはこちら
http://pt.edu-staff.co.jp/


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